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~プロローグ~ [ブログ・ことはじめ]

ブログ開設の手記

『大和は国のまほろばたたなづく青垣山隠れる大和し美し』
(やまとは国のまほろば、たたなづく あおがき やまごもれる やまとしうるはし)
(『古事記』・『日本書紀』景行記)
日本武尊ヤマトタケルノミコト)倭健命が倭(現代の奈良県)を偲んで詠んだ歌です。
とても懐かしく美しい歌。

幼少の頃耳にして以来ずっと心に残り、
いつの日か日本武尊の痕跡や古事記・風土記をたどって旅をしたいと願っておりました。


そして、初めて奈良の地に足を踏み込んだのが(※修学旅行等は除く)、『シルクロード博』でした。
今からかれこれ二十数年前の事です。
当時また古墳群などの発掘ラッシュというか...
島根県出雲市の荒神谷や、奈良斑鳩地方にて、藤の木古墳の発見・発掘など続いておりました。
更には、(たしか)10年ほど前には高松塚古墳の発掘調査があったりと、
第2次古墳ブーム(だったかな?)でもありましたね。

シルクロード博2.jpg

海のシルクロード館前にて。入口の外の方まで長~い行列!!
(88年5月5日撮影)


そんな中、期待に胸躍らせ、奈良のシルクロード博の会場に赴いたものでした。
特設パビリオン、中国の一級品の宝物、正倉院や西アジアの仏教美術コーナーやら
海のシルクロードの特別展示コーナー等々たくさんありましたが、
ちょうど連休中という事もあって...どこも、人人人。
展示物が思うように見れなかったことを良く覚えています。
まあ、ほぼ人を見に行ったような感じですね。


日中国交正常化以降、中国との行き来が頻繁になり、
会場では中国雑技団やら、変わった大道芸の催し物などを、そこかしこで見ることができました。
当時放送していたNHKの海のシルクロードシリーズとも重なり、大変ブームになっていました。
地元静岡でも中国の浙江省と姉妹都市になり、地方でも”大中国展”なる催し物も開催され、
近く発掘されていた、今世紀最大の大発見、始皇帝陵の『兵馬俑』が一大イベントとして公開され
一地方でもその実物を拝むことができました。

今となっては、高額すぎてほぼ国外持ち出し禁止の中国4千年のお宝の数々を、
発掘現場再現の中に実物も展示してみることが出来たのです。
今では考えられないような事ですが、とても友好的で(笑)活気のあるいい時代でした。


歳月が過ぎ、2度目に訪れたのは、今から15年ほど前の事です。
只その時は友人達とワイワイ盛り上がりながら巡ったので
自分の中ではイマイチ盛り上がりに欠けたのです。
しかし、これが火を付けました。
胸の中にしまいこんでいた大和への憧れ(照)が沸々と湧きあがり、
取りつかれたように居ても立ってもいられず・・・ついに一人旅同然で2度、3度と行くようになりました。


ざっとですが...
これが、奈良通い&日本全国津々浦々旅行するきっかけになったのです。


 

RIMG0099.jpg
山の辺の道から三輪山を望む
歌碑「三輪山をしかも隠すか雲だにも 心あらなむ隠さふべしや」額田王




そして、それから何度目かの奈良にて、
遂に、山の辺の道沿い、横に三輪山を望む景行天皇陵の近くにて見つけてしまったのです。
あの歌碑を。

『大和は国のまほろばたたなづく青垣山隠れる大和し美し』

この歌碑を見つけた瞬間、固まりました(笑)
遂に見つけたー!!!...というよりは、「ここかぁ~...」と思ったのです。
その歌碑は桧原井寺池畔にあり、歌碑の字はかの"川端康成"が書き設置したものです。
(※実際に倭健命が詠んだのは別の場所)

特に歌碑を探して歩いていたわけではなく、偶然通りかかって見つけたのですが、
この歌碑が立っている場所から遠く大和盆地を望む事ができ、父の景行天皇陵も近く、
倭健の無念というか、麗しきかの大和にどれだけ帰りたかった事か...と、
同調してこちらまで「さめざめ」し、また到着した喜びで一入感慨してしまうようなのです。

とにかく声に出してその歌碑を読んでみようと思い、

「大和は国のまほろば、たたなづく~...」まで読んだのですが、その先がも~ダメでした(笑)

声が詰まって、あとは目で詩を追うのがやっと。
何とも表現しようのない...熱いものが込み上げてきて
(哀愁というより・・・葦原や薄原を...こう...晩秋の風が駆け抜けていくような懐かしいく美しい感じ)

これ以上読んだら号泣しそうで、、周りに人もいたので、、感動して泣いてる事を悟られないように、
池を見たり、藪を見たりと、もう挙動不審(笑)。
とにかく必死で涙をこらえたのでした。

RIMG05.jpg
三輪丘陵より遠く、三輪の大鳥居、大和三山を望む



 

詩を詠んで泣くなんて、本人はそんな純情な人間じゃないんですけどね。ホントは^^

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